毎月の生理の仕組み
女性のカラダは月に一度、妊娠の準備として排卵が起こります。卵子が精子と出会い受精卵が
出来た時に、その受精卵を子宮に迎え入れる為に、子宮内膜という血液のベッドが準備されてい
ます。子宮内膜に受精卵が着床することで妊娠が成立します。
妊娠しなければ、子宮内膜は剥がれます。これが、毎月迎える生理の仕組みです。
脳と卵巣には深い関係がある
生理は、人によっては生理痛という子宮収縮による痛みを伴ったり、PMS(月経前症候群)が起
こる事もあり、どちらかというとネガティブに受け取られがちです。
ですが、生理というのは、卵巣と脳のやり取りの結果、女性ホルモンが正しく分泌されて起こるも
ので、女性の健康のバロメーターとも言われています。
では、卵巣と脳のやり取りから生理を見てみましょう。
脳が、卵巣に卵子を育ててね!と指令を出し、卵巣はそれをキャッチして卵子を成長させます。
その卵子からエストロゲンというホルモンが十分分泌されていることがまた脳に伝わり、排卵が
起こります。妊娠が成立していないことで、ホルモン分泌が減り、子宮内膜が剥がれ落ちます。
この卵巣と脳のやりとりが乱れると、指令が乱れ、生理周期の乱れや生理が止まる無月経を引
き起こします。
妊娠以外で生理がこない理由
今日は妊娠以外で生理が止まってしまった場合に、卵巣ちゃんと脳くんに何が起こっているか、
年齢別にいくつかご紹介したいと思います。
初潮から高校生ぐらいまでの無月経は、卵巣ちゃんの成長がまだ不十分なこと、脳くんの指令
もばらばらなこと、その結果、出せるホルモン量も不安定と、生殖機能の未成熟によるもののこと
が多いです。
また、激しい部活をしている場合は、脳くんが感じる身体的ストレスでも無月経になる可能性が
あります。
10代から40代前半にかけての無月経は、卵巣ちゃんは元気な年代ですので、脳くんが疲れて
指令が上手く出せない状態にある事が多いです。
脳くんが疲れるのは、精神的、身体的なストレスを感じたときや、睡眠不足が続いたとき、また、
栄養不足な状態にあるときです。
ストレスを感じると、カラダは身を守ろうとして、脳の視床下部にストレスがきたことを伝達しま
す。視床下部は女性ホルモンのコントロールタワーで「感情や自律神経の中枢」でもあり「女性ホ
ルモン分泌の中枢」でもあります。そのため、ストレスによる影響を強く受けてしまうのです。脳く
んが指令をださなければ、卵子も大きくなりません。その結果、ホルモンも作られず、無月経とな
ります。
40代中頃に生理が止まる事は、卵巣ちゃんの疲れになります。いわゆる「更年期」に差し掛
かったサインです。
いくら脳くんが指令を出しても、卵巣ちゃんが動いてくれなくては排卵も起こりません。それで
も、ときどき卵巣ちゃんがハッとして生理がおこることもあります。
数年かけて、徐々に完全な無月経=閉経となります。
また、どの年代においても、過度なダイエット、アスリートの体重コントロールなどで食事を抜い
たり、十分なエネルギーが摂れない場合は、脳くんにとって「命の危機」です。
脳にとっては生存が一番のプライオリティですから、生存が危ういと感じれば、生存から最も遠
い生殖機能をストップします。これは脳くんが卵巣ちゃんへの指令を出さないということです。
ですから、毎日の食事というのは脳くんに「私は健康ですよ」と知らせる為にも必要なことなので
す。
このように、無月経になる原因は年齢によっても異なります。
無月経の放置は、不妊の原因となることもあったり、上記以外の大きな病気が隠れていることも
あります。ですから、年齢に関わらず、無月経が3ヶ月続いたら産婦人科への受診をおすすめします。